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幼少の頃、海外に住んでいたわたしにとって和菓子とは、日本に来た時だけ食べることのできる、特別な存在でした。
ただ、華やかで不思議な見た目と異なり、その味は子供ながらにとにかく甘い!と思った記憶があります。また、それが豆の甘さという、海外にはない発想から作られたお菓子であることも、衝撃的でした。
和菓子の魅力はその繊細さと、四季がある国ならではの季節性、シンプルな材料に尽きると思います。
わたしは色々な和菓子を食べる中で、より健康に特化した和菓子や、砂糖を控えめにしながらも、自然の果物などの甘みを引き出せないかを考えた結果、漢方和菓子のアイデアに行き着きました。
体の不調や病気を未然に防げる『未病』の観点から、正しい漢方の知識を活かして、現代人の不調を解決するような和菓子を作りたいと考え、漢方養成指導士の資格も取得しました。
漢方と言うと、苦い漢方薬や、怪しげな中国医学のイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、漢方は中国医学を日本独自で発達させたれっきとした学問であり、苦い漢方薬を用いなくても、体質や季節に合わせた食材を気軽に取り入れることで、十分『漢方』に基づく知識を和菓子にも応用することが可能なので、安心して日々の生活にも取り入れていただけます。
わたしの願いは多くのひとに漢方和菓子を届け、美味しくて健康に良い漢方和菓子で一人でも多く方に喜んでいただければ、と思っております。